4週間隔で2回接種し1回目から20週以上あけて3回目接種を行います。
すべての年齢で接種できます。
2016年10月から、2016年4月以後に生まれた0歳児を対象に定期接種となり、その対象者は無料で接種できます。その他は任意接種で自費となります.
B型肝炎ワクチンの必要性
B型肝炎は肝臓に炎症を起こすウイルスにより発病します。感染した場合に
(1) 軽くかかって治る。
(2) 重い肝炎になる。死亡率は高い。
(3) 無症状ながら持続感染しキャリアとなる。
この3通りがあります。小さい子ほど(3)になる割合が高いのが特徴です。また、(3)の場合には、大人になって慢性肝炎となり、肝硬変から肝がんへと移行していきます。
感染経路はかつて注射針の使い回しや、出産時に母から子への感染が主流でした。針の使い回しを止めて、母子感染予防のためのワクチン接種を進めた結果、患者数は減少していきました。しかし、このところ減少率が横ばいとなってきており、それ以外の感染経路としての集団生活における感染や性感染がクローズアップされてきています。感染者の汗や涙、体液からもウイルスが出ていることがわかり、この経路による感染が防ぎ切れていないのがわかってきました。
さらに、今までB型肝炎にかかって治った大人の方で、ウイルスが肝臓に潜伏し、抗がん治療をして免疫が下がった時に再活性化して、ウイルスを排泄する場合があります。がん治療中のおばあちゃんから見舞いに来た孫が重症B型肝炎にかかり死亡したケースなども報告されています。
これらはワクチンを受けていれば防げたケースばかりです。世界保健機構(WHO)がB型肝炎ワクチンをすべてのこどもに受けさせるように推奨したのが1992年。以後多くの国で公費による接種が進められています。先月からオランダでも公費接種が始められましたが、これが世界で180番目だそうで、公費で全員が受けられない国は日本を含めてわずかになっています。
ワクチンの効果については、1986年にいち早くワクチンの公費化が行われた台湾からの報告がありますが、20年以上持続することが確認されています。
B型肝炎ウイルスには8種類のタイプがありますが、今まで外国で多かった、慢性化・キャリア化しやすいウイルスタイプが最近わが国でも増えてきているそうです。日本でも定期接種に向けて検討されていますが、感染予防から早めに接種されることをお勧めいたします。