当院では2ヶ月健診の中で股関節の超音波検査を行なっております。
この検査では先天性股関節脱臼を見つけることができます。
2ヶ月健診の受診券があれば無料です。
★先天性股関節脱臼とは
股関節は腰の骨(骨盤)と足の骨(大腿骨)のつなぎ目であり、足が自由に動くように、大腿骨の端は球状になり、骨盤は逆にまるい受け皿のようになり、つながっています(下図)。
正常股関節の超音波写真。白い点線で角度を測り股関節の受け皿の部分の程度を評価します。
先天性股関節脱臼では受け皿の部分の出来が不十分なために、大腿骨の端の球状の部分を十分におおうことが出来ず、外れやすくなります(下図)。
股関節脱臼の超音波所見。受け皿が浅くなっています。
外れやすい関節は、しっかりとした関節を作れず、将来、歩行時に障害(歩行時体が揺れたり、痛みが出る)がでてきます。
股の開きが固い等の症状から発見できますが、症状がはっきりしない症例もあり、全国では年間100例程度が乳児健診では発見されず診断が遅れて障害が残ってしまうケースが出ています。
超音波検査を行うことにより、早い時期に診断し、治療することで、しっかりした股関節を作ることができます。
乳児期の治療として軽度の場合は、足を開いたままにしておく装具をつけ、股関節がしっかりできてくるのを待つ治療になります。
当院における股関節超音波検査の実績
期間:2009年1月〜2016年12月
総実施数:1708人
検査異常:115人(すべて精密検査のため整形外科専門医に紹介しています)
うち整形外科で装具による治療を受けた乳児:11人(11例とも2-4か月の治療期間で軽快しています。)
残りは股の姿勢に注意する生活指導のみで経過観察で改善しています。